Vanilla Essence



携帯をパタリと閉じて、ベッドに仰向けになり、目を閉じる。


そこに浮かんでくるのは、もう忘れたと思っていた、あの時のこと。
忘れたいと願っていた、あの人の顔…


まだ、紗由美の頭と心を占領する忌々しい記憶。




それを思い出すたびに、鼓動が速くなる。

胸焼けする。


気持ち悪い。

気持ち悪い。


息が詰まる。



ツ ラ イ ......




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