Vanilla Essence
なんだかそれがちょっと腹立たしい。…ので、紗由美は、フイッとそっぽを向いてみた。
「え、ちょっと…!!」
紗由―!!と、弥生は涙目で(そんなに無視されたのが嫌だったのか)紗由美の肩を掴み、上下に激しく揺する。
ガクガクと、紗由美の頭も上下に動いた。
「ちょ…気持ちわる…」
そう言って、揺すられながら口を押さえた。心なしか、顔色も悪い。
「あ、ごめん…」
それに気付いた弥生は、揺するのをやめた。ピタッと止まって、紗由美は深呼吸をする。