Vanilla Essence
放課後。
なにやら、校門前が騒がしかった。何があったのかは気になるけれど、さほど気にしてはいない。
近くにいた女の子たちが、「あの人、かっこいい!!」と言っていたが、男が苦手な紗由美とあんまり興味がない珠希には、関係のないことだ。
そう、思いたかった。
「あ、大貴たちじゃん!!」
弥生が、教室から見える校門前を見て、そう言う。窓から身を乗り出して、嬉しそうな表情を浮かべて。
(は…?大貴…たち…!?)
紗由美と珠希は弥生の言い方に驚いて、同じように窓から校門前を見た。