まるごと愛してる。




「こんにちは、愛さん。」




拾ってくれた人の顔を見て、あたしの時間は止まった。

あの人だった。

「君は、よく物を落とすね。」

微笑んで生徒手帳をあたしに手渡したのは、

まぎれもなく携帯を落としたあの人。



プシュー


ドアが閉まったことなんて気づかず、ただ目を見開かせた。
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