10年彼女
彼女の名前は矢吹李梨(やぶき りり)

父は代々、大企業の社長。生粋のお嬢様だった。

彼女は飴が大好きで、いつも飴を持っていた。

僕が落ち込んだ時、嬉しいとき、いつも飴をくれた。

僕が好きなレモン味。

李梨の持ち物がレモン飴ばかりになって、

すごく嬉しかった。              

出逢って半年、僕らは“彼氏と彼女”になった。


交際期間5年半、11歳。

僕は李梨のいる地を離れた。

転勤だ。電車で1、2時間ぐらいの所。


でも、手紙も書いてたし、携帯を買ってもらってからは、電話もメールもしていた。

そして、どちらかが誕生日の時は、会いに行くという約束をしていた。


その時は思いもしなかった。この約束が、僕を苦しめることになるなんて……。

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