10年彼女
俺は客観的にどう見られてるか、

ちゃんと理解しているつもりだ。

それは李梨に教え込まれたから。

俺が女と話すと、李梨の機嫌が悪くなる。

李梨の笑顔を見たいがために、女との関わりを極力なくした。

頭のいいヤツが好きだと言った李梨の為に、勉強だってした。

そんな李梨ももう居ない。

そう思うと、自分が馬鹿なことをしているように思えた。

勉強も、

自ら女を拒む事も、馬鹿な事のように思えた。




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