10年彼女
月曜日、奈流は学校に来なかった。

俺も午後からしか出ていない。

でも順は、俺が来る頃にはもう居た。

いつもは俺より来ないのに。

俺よりも、辛いはずなのに。

順の目はあの日の生気の宿っていない目とは比べ物にならない程に凛として、

誰も近寄れない雰囲気を出していた。

きっとあの日、直樹さんと話をしてから変わったんだ。

俺達は、何の話をしてたかなんて知らなかったし、

知らなくてもいいと思っていた。

それがたとえ、

順の人生を変える話だったとしても…。

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