堂々乙女と秘密の美女
「ありがとうございます」

私が言うと、悟さんはにっこりと笑いました。

「悪いな。お前、俺のこと嫌いだろ。

それなのにこんなことにつきあわせて」

「いえ、それは単なる誤解だったのです」

「そうかい」

悟さんが煙草を吸う姿は

まるで別人のように見えました。
< 141 / 306 >

この作品をシェア

pagetop