合い鍵
むむむ…。
502"安藤"
503"天宮"
「どうしよう…」
年頃の女子が健全な男子の家に入るのはどうも抵抗がある。
ましてや私は1人暮らし。
多分あっちも1人暮らし。
ガチャ…
突っ立っていたら右隣の玄関のドアが開いた。
「…亜実ちゃん。いるなら入ってきなよ。」
部屋着の彼が顔をのぞかせた。
「飯、作ってくれんでしょ?」
微笑む彼に不覚にもドキッとした。
なぜか悪い人には思えなくて、私はスーパーの袋を片手に彼の家におじゃました。