彼女と僕の夏休み〜天然王子=俺様彼氏②〜



「おもしろい方。いまさらなんですが、お名前、伺ってもいいですか?」


「あ……もちろん」


そうか、まだ名乗ってなかったのか。失礼だったな。


「渡辺、紫恩です。紫の、恩返しの恩」


「紫恩……」


飛鳥の声には、小鳥がさえずるような心地よさがある。


「シオ、って呼んでも、大丈夫ですか?」



僕は息を飲んだ。




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