彼女と僕の夏休み〜天然王子=俺様彼氏②〜
「ねぇ、ナチ?」
「シオはさ……」
ナチは僕をシオ、と呼ぶ。
僕をシオと呼ぶ、世界で唯一の人、それがナチ。
ナチが僕をシオ、と呼ぶ度に、ナチは僕の特別なんだ、って気持ちになれる。
「僕は、何?」
「よく、そういうこと、恥ずかしくないよね」
「えっ……?」
ナチはぷいっとそっぽを向いてまた、付け合わせの福神漬けを盛り付け始めた。
だって、誰も見てないじゃん。
今まで、そんなこと言わなかったのに……