彼女と僕の夏休み〜天然王子=俺様彼氏②〜
「ん〜」
伊豆旅行の時、あまりのナチの可愛さに自分を見失い、ナチを押し倒したことがあった。
それも……複数回。それで僕等は結ばれたんだけど……。
そんなことは、僕の名誉にも、ナチの名誉にも関わることだし、口の軽い秀也には言えない。
口が裂けても。
「一回、ばーっと押し倒したらどうだ?」
『ぶほっ』
僕はホットコーヒーを吹き出した。
「紫恩、汚ねぇ……」
「お客様、大丈夫ですか!?」
慌ててやってくる店員。
「やっぱり、お前に那智ちゃんは勿体ねぇなぁ……」