彼女と僕の夏休み〜天然王子=俺様彼氏②〜
「それにしてもお前、よく那智ちゃん手に入れたよなぁ」
歩きながら、秀也がしみじみと言う。
実はナチは、僕の人生で初めての彼女。
「お前さぁ、いい加減、キスくらいはしたか?」
「な…!」
大学の中でもプレイボーイで名を轟かせる秀也。
こいつと話をすると、自分の恋愛感覚が狂ってしまう。
「お…?」
秀也はニヤニヤと俺の肩に手を回した。
「その反応は、済ました、ってわけだ。まさか最後まで!?」
「……ばっ!」
「わかりやすい奴だなお前!」
爆笑されてしまった。
秀也と話をすると、いつもこんな感じ。
よく言えば、気取らない。
悪く言えば、遠慮がない。