ソーダ恋。
MINAMI
―…あたしの髪は
生れつき、赤い。
「ちょっとあんた、聞いてんの?!」
「はぁ…聞いてますよ。」
桜が咲き乱れる
雲一つない青い空の
こんな春の清々しい日に
あたしを取り囲むのは
…何とも言えない、背景とミスマッチな人達。
「入学式から赤髪なんて、いい度胸。」
はあ…ありがとうございます。
入学式からじゃなくて、
生まれた時からですけどね?
「あんたうちらをナメてんの?」
いいえ。全く。全然?
「中学校で何を習ってきたのかなぁ?」
…勉学と友情と努力?
あたしを囲んだ派手な先輩方が、一人ずつ問いかけてくる言葉に
あたしは心の中で一人黙々と答えていた。