ソーダ恋。
失うことが
怖くなってしまうから。
その前に
あたしから突き放したんだ。
「…下手くそ、だ。」
「え?」
「……あたしは、人と付き合っていくのが 下手くそだ。」
自分を傷つけないために
相手を傷つけないために
逃げることしか
出来なかったんだ。
「…南美。こないださ、海くんは野良ネコだって言ったけど、」
「うん?」
「南美はいつも登校中に会う野良ネコが、ある日いなくなっても
支障はないって言ったけど。」
「…うん。」
「本当にそうかな?」
「……え?」
「南美は…いつも会ってる野良ネコが、突然会えなくなっても、寂しくないの?」
「……。」
「登校中、何気なく会ってたネコだけど
それだけで、学校の楽しみが少なくなったり
気になったりするんじゃないの?
登校中の、何気ない一つの背景かもしれないけど
その背景が、本当は凄く大切な存在だったりするんじゃないの?」
「…………。」
「ねえ、南美。」
「上手くなくていいから。ヘタクソでいいから。
自分の気持ちと
ちゃんと向き合ってみなよ。」