ソーダ恋。


「南美ー!おはよっ」


教室に入ってすぐ

後ろから駆け寄ってきたのは黒くて長い髪を
ポニーテールにした小春。

「おはよー。」


「南美は学習会忘れちゃったんじゃないかと思ったよ。」



「あー…実は忘れてた。」

「やっぱりー!」


なんて笑いながら
立ち話していると

白髪混じりの先生が入って来て席につくように言われた。



本当は小春の席はあたしの前だから
前後でお喋りできたのに。

学習会だけ席変わるなんて聞いてないよー。


ついてないな。なんて思いながら

あたしは渋々小春と離れて指定された席に座った。



「はい、じゃあ教科書7ページから。」


気が乗らないまま数学の教科書を開いて、また一段と気が重くなった。


「…はぁ。」



簡単すぎるでしょ、これ。
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