ソーダ恋。



「み、南美??紺野は俺の彼女じゃないんだけど?」


…わかってるわよ。
そんなの。


「あ…バイトは、一緒だったけど。」


……“だった”?


「や、でもバイトは俺、前からしてたし!」


「はっ…?何それ!聞いてないっ。」

って…別に言わなきゃいけない事でもなかったか…


「あー…うん、秘密にしてた。」


言いたく、なかったって事?


「でも時給安くてさ、紺野に最近紹介してもらったんだよね。短期で結構稼げるバイトって。」


「え……」


もしかしてもしかして
あれって…告白じゃなかったの?


「あ、バイトはこの間が最後でもうやってないんだけど。」


「じゃ…紺野さんとは…」

「一緒に登下校もしてないし?」


え??

「たまたま下駄箱であっただけなんだけど…?」


「う…うっそ…?!」


「うん。それだけ。」


嬉しそうに笑った、海。

な…は、恥ずかしっ…////


………あれ?

でも、


「…何でバイトやめたの?」

「…あー…。」

言うのを躊躇うように
目を背けた海。


「……?」


「…手に入ったから。欲しい物。」


「…欲しい物って?」



「…………これ。」


遠慮がちに、鞄から取り出したのは
白い、小さな箱。


「…?何これ?」
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