草食系鈍感彼氏の射止め方

「足拭いたって靴が濡れてるから意味ないやん…」


「ああ、そうですねぇ…
うーん、じゃあ家はどこですか?」


「百万遍…
(ひゃくまんべん)」


「じゃここからそう遠くはないですね。
自転車で送ってあげますから」


「いい…別に」

なんでそこまで言うの?

なんでこの人はどこまでもお人よしなんだろう。


「遠慮しないでください。
自転車の場所まではおぶってあげますから」


アタシはびっくりして大きく両手を振って断った。

「そこまでせんでも大丈夫!
ホンマ、大丈夫やからっ」





< 105 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop