草食系鈍感彼氏の射止め方


放課後、
昨日と同じ待ち合わせ場所に行くと今度は佐々布さんのほうが先にきていた。

そしてアタシを見つけると手を振って笑った。

あの笑顔…。

なんて平和主義な笑顔なんだろう。

この人ってきっと誰かとケンカとかしたことないんだろうな。

そんなこと考えた。



アタシはゆっくり歩いて彼の側に近づいた。

「はい、これ」

佐々布さんは何かが包まれているハンカチをアタシに渡した。


「なにこれ?」


「ええから、
開けてみてください」

佐々布さんはにこやかに答えた。


< 112 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop