草食系鈍感彼氏の射止め方
勝手に入ってくるのならノックしてないのと同じじゃないの。
「…な…なに?」
アタシは焦って聞いた。
「アンタさぁ…、
今好きな人とか付き合ってる人とかいてんの?」
唐突に何聞いてきてんの、
お姉ちゃんは。
なんでそんなこと聞くの?
好きなひと…。
本来なら頭の中に響と雫石さんが思い浮かぶはずなのに。
何も浮かばない。
ひとの影らしきものは浮かぶけれど。
どうなってんだ?
アタシの脳みそ。
「…な…なんで?」
今度はお姉ちゃんが困った顔をした。
意味わかんない。
「…んー…別になんもないんやけど。
あー…ホラ、たとえばもうすぐ北野さんの初天神やん?
せやし誰かとデートとかは?なんて…」