草食系鈍感彼氏の射止め方
北野さんから市バスに乗って20分くらい。
バスに揺られているうちにアタシの気持ちも少しづつ落ち着いていった。
バス停を降りて2人で歩く。
並んだ影が長い。
「ちょっと路地入るんですけどね、
なかなか京都らしくていいでしょう?」
そう言って案内してくれた。
着いたところは京都ならではの町家って感じの家。
「ここはね、
叔父夫婦が住んでたんだけど田舎に帰るから借り手を探しててね。
それなら貸してくださいっていって借りてるんですよ」
ふーん…。
ここにひとりで住んでるのか…。
「どうぞ?」
彼はアタシを家の中へと入れた。