草食系鈍感彼氏の射止め方
「だから!
そんなんあらへんの!」
アタシは向かいに座った美月を見据えて言った。
「あのねぇ、
もっとこころを自由にしてみたらどんな?
そしたら案外と答えはすぐそこにあったりすんねんから」
「そしたら美月はいつもこころを自由にしてんの?」
何気なく言ったアタシの言葉に美月はちょっと戸惑った表情を見せた。
あれ?
なんかアタシ変なこと言った?
「そうやねんなぁ、
アタシもそれがなかなかできへんからあかんねんなぁ。
こころを自由にしたら。
もしその相手が自分を拒否したらそのまま自分が崩れてくかもしれへんのが怖いねんなあ」
美月は左肘をつきながら机の上にあったアタシのシャーペンを右手で転がす。