草食系鈍感彼氏の射止め方
アタシは体を乗り出す。
「なぁ!
遼ちゃんは…遼ちゃんはアタシのことっ…」
そう言いながら机越しに彼に詰め寄った。
「…ちょっ
…うめちゃんっ!
近いって、近いってばっ」
慌てて後ずさりした遼ちゃんの眼鏡が少しズレる。
彼は中指でズレたメガネを直し
そしてすぐに笑顔に戻ってこう言った。
「僕はうめちゃんのことが好きですよ」
あまりにもサラッと言うからアタシは余計にわからなくなった。
じゃ…。
その好きっていうのはどういう…?
雫石さんがアタシのことを好きだっていうのと同じ種類のもの?
それとも?
アタシはそれ以上
怖くて聞けなかった。