草食系鈍感彼氏の射止め方
「さ、落ち込んでるときは甘いもの食べて元気だしませんか?
こないだの電話のお楽しみっていうのは…」
そう言いながら彼は立ち上がる。
「実は今日はうめちゃんの好きなクリームブリュレを作っておいたんです」
そしてキッチンへと行った。
アタシはぼんやりその後姿を見つめる。
「今からキャラメリゼをしますからちょっと待っててくださいね」
キッチンから声が聞こえる。
「キャラメリゼ?」
「ほら、上にある砂糖のコゲですよ。
時間がたつとパリパリ感はなくなりますからね。
だから食べる前に焦がすんです」
「ふーん…」
アタシがクリームブリュレを好きなこと。
ちゃんと覚えていてくれたんだ…。