草食系鈍感彼氏の射止め方
「さて、
そろそろ用意しますか」
そう言って遼ちゃんは立ち上がりキッチンへ行き冷蔵庫のドアを開けた。
「あーバルサミコ酢がない…。
うめちゃん、
悪いけど買うてきてもらえないですか?」
キッチンから彼がアタシに頼んだ。
「えー…アタシが?」
面倒くさいなぁ、もう。
そんなつもりで来たんじゃないのに。
っていうか今日、
誕生日のお祝いって言ってなかったですか?
お祝いしてくれるんじゃないんですかねぇ?
招待客をこき使う気?
ぶうっとむくれるアタシに遼ちゃんは全く気にしてない様子で
「今日は白身魚をバルサミコ酢でソテーしますから」
そして楽しそうな笑顔で答える。