草食系鈍感彼氏の射止め方

本当にこの人、
料理が趣味なんだなあ。

その笑顔を見て思った。

ま、いっか。

「わかった、
行ってきます…」

「はい、これメモ。
スーパーまでの地図とバルサミコ酢のメーカー名が書いてありますから。
バルサミコ酢は書いているものと同じものを買ってきてくださいね。
あとこれ、スーパーのポイントカード」

そして付け足すように言った。

「迷子にならないようにしてくださいね」

なんなの、
アタシもう高校生なんだから迷子になるわけないでしょっ。


アタシは

「はい、はい」

と言いながらカードとお金を預かった。

それにしてもポイントカードねぇ。

彼らしいと言えば彼らしいや。


そして教えてもらったスーパーへと出かけた。

日はだいぶ暮れてきて夕闇。



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