草食系鈍感彼氏の射止め方
アタシは早足で教室棟の入り口にいた男のひとに声をかけた。
「あの…この地図にある205号の教室…」
「あ、うめちゃん?」
アタシが声をかけたのは遼ちゃんだった。
それはいつもの彼ではなくてキッチリとしたスーツを着て眼鏡もいつもの黒い縁のものではなくて銀縁で…。
全然わからなかった…。
びっくりしてるアタシに彼は
「いつもと違うでしょう?
やっぱりこういう場だからちゃんとしたカッコしておかないと。
眼鏡もこっちの方がマジメっぽいでしょう?」
そう自分の眼鏡を指差しながら笑った。
「…うん…」
なんか、わかんないけど、すごい。