草食系鈍感彼氏の射止め方

あのときのアタシは答えに戸惑った。

いきなりあんなこと言われたからって、
だから答えられなかった
ってそう思った。


でも今は違う。

今ははっきりわかる。


アタシは遼ちゃんが好きなんだ。


「あの、アタシ、
佐々布さんのことが好きです」

少しの沈黙のあと彼女は再びにっこり笑ってアタシに何かを言おうとしたけれど

「失礼します」

アタシはそう言ってその場から離れようとした。

この場に一瞬ももういたくない。




するとそこへ遼ちゃんが戻ってきた。

「どうしたんですか?」


「別に。
彼女が余りにも可愛いから仲良くしてもらおうと挨拶してたの」

笑いながら彼女は言った。




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