草食系鈍感彼氏の射止め方

…彼女のこと
「逆瀬川サン」って呼んでた。

どこかで聞いたことある名前。

どこだっけ。


アタシは走りながら記憶をたどる。


あー。
思い出した。


電話を取り違えていた時、
夜中にかけてきた電話の女。

あの人の名前、
確か「逆瀬川 陽花」って…。


…なんか疲れた。

彼女に佐々布さんが好きだって言ったときはあんなに強気だったのになんだか今はとてもだるい。

時間がたって自分が冷静になっていくと同時にすごく憂鬱にもなっていく。


彼が好きだって精一杯の主張をしたところで…。

だからどうなるっていうんだろう。


落ち込むのには十分すぎるか…。




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