草食系鈍感彼氏の射止め方
そのまま倒れた遼ちゃんの顔がちょうどアタシの顔と向かい合わせになる。
遼ちゃんはズレた眼鏡をなおしながら
「もう、何するんですか。
ちょっと…
不意打ちはずるいですよ…」
そう言って笑った。
「せっかく毛布持ってきてあげようと思ってたのに…」
そう言いながらもう一度立ち上がろうとした。
慌ててアタシは彼の腕を掴む。
「そんなん、いらへんもん!
このままでいいから。
ずっとこのままでいてやっ!」
こんなんじゃないのに。
ちゃんと言うことあるのに。
これじゃまるで小学生の子供が拗ねてるみたい。
「それから、腕まくらして」
続けてそういうと彼はなにも言わず腕をアタシの頭に回してくれた。