草食系鈍感彼氏の射止め方

今の声?

なんかすごく近くに感じたんだけど…。

まさか。

でも。

手が震え、
胸がどきどきしてきた。


「…いい景色ですよね」

その声の主は穏やかにそう言いながらアタシの隣に立つ。


うそ、だ。

さっきよりもどきどきして
涙が落ちそうになって

隣を確かめることができない。


「な、なん…で…」

視線は糺の森に向けたままやっと言えた小さな声。


< 314 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop