草食系鈍感彼氏の射止め方
地下に降りても人は多い。
百貨店に入って行く人、
百貨店から出て行く人。
私鉄の改札、
地下鉄の改札。
アタシはさっきみたいなことにならないように今度は百貨店の大きなショウウインドウの隅っこにもたれて再び携帯を取り出した。
「さて、気を取り直して…
誰に最初に電話してみよっか?」
………。
あれ?
なんなの?これ?
え?
これってアタシの携帯?
アタシはその黒い携帯をじっと見入る。
落としたときの傷…?
にしてはなんかちょっと変な感じ。