草食系鈍感彼氏の射止め方
……。
ん…?
あの、ちょっと…。
いつまでもアタシの話をニヤニヤしながら期待している美月に思わずアタシは彼女から目をそらす。
……。
えーと。
話題を変えようか。
あ。
そうだ、
辞書借りてたんだった。
アタシは鞄から電子辞書を取り出し彼女に渡す。
「はい。
ありがとう。
借りてた辞書」
「はい、どうも」
彼女はそう答え受け取る。
そう、
気づいたらなぜか辞書がなくなってた。
自分でもどこでなくしたかも全くわからない。
だから今日は授業の予習したって言う美月に借りていたのだ。
今日はよかったけどこの先このままじゃヤバイし。
かといってなくしたからお母さんにまた買ってって言うと。
怒る顔が…
目に浮かぶ。