草食系鈍感彼氏の射止め方
・お姫サマなアタシ
夜、ベッドでゴロゴロしていると携帯が鳴った。
「はい、はい」
アタシは机に置いてあった携帯に出る。
「俺」
あ、響からだ。
嬉しい。
でもできるだけ平静に。
「どしたん?」
「今度…
テニスの試合あるんやけど見に来うへんか?」
響が落語会の話以外でアタシに電話よこすなんて珍しい。
嬉しい、すごく。
「かまへんよ。いつ?」
「えーっと急なんやけど今度の土曜…」
こないだ落語奉納で会えてまたすぐ会えるんだ。
嬉しい。
でもやっぱり平静を装うアタシ。
だって。
なんとなくいつも待ってる待ってるみたいな態度で嬉しがったりすると忙しい彼に悪いような気がして…。