草食系鈍感彼氏の射止め方
「大丈夫です、
それよりも雫石さんのハンカチが汚れて…」
「かまへんよ、
これくらい」
「ほら、準備いいやろ?」
そう言いながら雫石さんは鞄から絆創膏を取り出しアタシの手の傷口に貼ってくれた。
そしてまたゆっくりとふたり歩き出す。
「で、さっきの続きなんやけど…。
誕生日の話。
プレゼント、なんかほしいモンある?
今度はまたいつ大阪に帰れるかわからへんから今日プレゼントするわ」
「え?またすぐ東京行くんですか…?」
なんかすごく残念。
それにいつ帰れるかわかんないなんて。
「そんな残念そうな顔せんといてや?
向こうの仕事が増えてきて最近忙しくて…
しゃーないねんなぁ。
もしかしたらもうずっと東京になるかもしれへんし…」