草食系鈍感彼氏の射止め方
「すいません。
遅れてしまいました」
突然の声にびっくりして顔をあげるとそこに自転車に乗った佐々布さんがいた。
雫石さんと比べると彼はやっぱり…。
っていうか比べものにもならない。
いつも雫石さんはとてもオシャレでステキに服を着こなしてアクセサリーにも気を使っているのがわかるけれど。
佐々布さんのファッションはあまりにも小ざっぱりしている。
いや、あれはファッションって域にも入らないか…。
白いシャツとGパンにPコート。
至って単純…。
「もう!
そっちから呼び出しといて遅れてくるってどういうことですか?」
ちょっとキツイ言い方だったかな。
でも遅れる奴が悪い。
「…そうですね、
すいません」
ふう。
ホント、コイツ謝ることしかできないのかなぁ?
「で?
渡すものってなんですか?」