首筋にナイフ


「流石全国大会……」


「インターハイな」


「その方がカッコいい響きですね」


「だろ?」


ニカッと笑って何の迷いもなく先輩は歩き進める。


「小早川さんはどこに居るんですかね?」


気になって聞いてみると、先輩はピタッと歩みを止めた。


「……先輩?」


「ヨシノ、どこにいるんだろ」


「え? 分からないのにスタスタ歩いてたんですか?」


「おう」


改めて思うが、この人はいろんな意味ですごい人だ。




< 29 / 55 >

この作品をシェア

pagetop