首筋にナイフ


「どうするんですか?」


「とりあえず、電話してみる」


「それがよさそうですね」


先輩は携帯を取り出し、小早川さんに電話をかけた。


「ヨシノ? 今何処にいる? オレ達はC3にい……え? E2? 分かった。すぐ行く」


二人の会話の中に、C3やE2という不思議な言葉が出て来たが、それは入り口の名前だ。


ここがC3ということは、E2……ちょっと遠いな。


「よし、行こう。もうすぐイチカの出番らしい」


「マジですか? 早く行かなきゃ!」


「まあ、そうあせんな。大丈夫だから」


あははと先輩は楽観的に笑う。


ちょっと信用できない。





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