首筋にナイフ


「それに、イチカは一種目だけじゃない。二種目出る」


「オレは全部見たいんです!」


「あーはいはい分かった。ちょっと急ぎ目に行くから」


早歩きで進む。


もうすぐE2というところで、見覚えのある人が……。


「おお、ヨシノ! 迎えに来てくれたのか!」


吉川先輩の言葉は無視して、小早川さんはオレを睨んだ。


「来たのね……」


「うん」


「こっちよ」


小早川さんはクルッと方向転換すると、取ってある観客席に案内してくれた。





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