首筋にナイフ
「イチカさん、どこにいるんですか?」
「4コース」
目を細めて見てみる。
本当だ、イチカさんっぽい。
イチカさんも足首まである水着を着ている。
「きっといい泳ぎするわ。ちゃんと見てなさい」
「はい」
ピストルの音とともに、一斉に飛び込む。
その後オレは、目を奪われた。
なんて美しいフォーム……。
「すごい……」
素人のオレでも綺麗だって分かる。
バタフライって、こんなに綺麗な泳ぎだったのか。
今までちゃんと見なかったことを後悔した。
「そりゃすごいわよ。ほら、一着よ」
「全然違う世界に住んでいるようだ」
「アンタとは確実に違う世界に住んでるわね」
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