首筋にナイフ
「オレ、キミに言いたいことがあって……」
「ここじゃダメな感じ?」
「出来れば人は少ない方が」
「……そっか」
「あ、さっき、人があんまりいないところあったから、行かない?」
「うん、いいよ」
吉川先輩とオレががスタスタ歩いていた時、ちょうど人がいないところを見つけたんだった。
元々、もう大会も終わって人がぞろぞろと帰り始めている所でさっきのような人ごみにはなっていないけど、人は少ない方がいい。
オレは無意識に彼女の手を握って歩いていた。
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