首筋にナイフ
第二話
あれから、イチカさんとは少し言葉を交わしたが、席替えをして席が離れると、全然話さなくなった。
休み時間に話しかけようにも、小早川芳乃にことごとく邪魔をされるので無理。
そして結局何の進展もないまま、夏休みという長い長い休みに入ってしまった。
しかもオレは数学で赤点をとってしまい、夏休みというのに補習を受けに学校に行かなければならなくなった。
「暑い……」
そんなわけで今オレは学校の教室にいる。
夏休みの補習は地獄だ。
何より暑い。
それに、イチカさんがいない…………。
……いない?
「おはよ! ハルヒコくん! そっか、君も赤点だったのかぁー」
「……イチカさん?」
間違いない、今オレの隣の席に座っているのはイチカさんだ。
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