―偽愛―
ヤバい
“助けて!!”
大声で叫んでみるけど 聞こえるはずもない
“助けて!”
“オカン!!”
“助けて!”
何度も何度も助けを呼ぶけど
アタシの実家は小さくなっていくばかり
もう ダメだ
こんな事なら 優人と一緒に来とけば良かったよ
優人…
今 何してんだろ…
暑い
アタシ 海で死ぬんだ
もっと優人に優しくしとけば良かったよ
暑い
太陽の日差しが痛すぎる
せっかくショートに切ったばっかりなのに
優人に見せれないまま 死んじゃうなんて
絶対ヤダ
“オカン!!助けて!”
“お願い!死にたくない!助けて!”
浮輪の上に乗り
両手を精一杯広げて
大声と共に 精一杯の力を振り絞る