―偽愛―
アタシは毎日 誰にもバレないように オカンの仕事の手伝いを頑張り 夜は海翔の部屋で寝る
そんな生活をしていた
夏が終り 秋がやって来ていた
海翔は アタシの前で笑わなくなった
夜中に“竜太”ってうなされる事も多くなっていた
うなされて 目を覚ますと必ず海に出掛けて行く
もう肌寒いを越して 寒いのに… Tシャツと短パンで出て行く海翔…
アタシは辛かった
海翔を苦しめてる
アタシ 自分が幸せになれば、それでイイって思ってた。
だけど…違うんだね
好きな人だからこそ その人に幸せになってもらわなきゃ 自分も幸せになれないんだね…
なんで そんな簡単な事に今まで 気付かなかったんだろ