―偽愛―
もう アタシの大好きな風鈴の音色が響いても 涼しげには聞こえない
ただただ…悲しい音色
今日も海翔は夢にうなされて 魂の抜けた亡霊のように海にフラフラと出て行く
………。
なんだか 胸騒ぎがした
すぐさま 海に向う
真っ暗な暗闇の中 月明りの下
ポツンと海翔の影が映る
月明りの中 たくさんのkissをしたあの夜には もう戻れない…
少しずつ 海翔に気付かれないように歩く
海翔の背中が小さく震える
“竜太…”
小さく聞こえる海翔の涙声
“竜太…”
ごめんね…海翔
アタシ アナタを幸せにしてあげる自信ないや…
アナタの涙を渇かせてあげる事すら 出来ないんだね