―偽愛―



気が付くと



オカンの心配そうな顔



“大丈夫か?”



“…うん なんとか… 優人は?”



“優人クン 来てないで ”



誰だったんだろ…



頭が ガンガンする



“オカン…頭痛い…”



“大丈夫か?薬、持ってくるな…”



コンコン コンコン



“それ、たぶん 熱中症… 水分と塩分を摂って、身体を冷やし”



隣りの部屋の客は 顔だけひょっこり覗かせて そう言うと 部屋に帰った



“スポーツドリンク、持ってくるわ”



オカンは相変らず ドタバタと階段を降りる






“助けてくれたの、アンタでしょ? ありがとね…”



隣りの部屋に聞こえるぐらい 大きな声で言う



頭 ガンガン痛む



“乳、見せてもらったから そのかえし…俺は小さい方が好きなんじゃけど、な”



やんちゃな顔を覗かせて ヤツは言う




“アンタ、名前は?”



“ 海翔〈カイト〉”



“海翔か…イイ名前だね”



“オタクの名前は…ヒロミだろ? 一週間ほど世話になるから よろしくな”



子どもが笑うみたいに やんちゃな笑顔



“隣り同士 仲良くしよっ”



“まぁ 身体疲れてるから…早く寝な”



“ありがとう…おやすみ…”



“これでも 飲んどいたら…”



ポイっと アタシの布団に投げたのは



マムシドリンク





プッ



面白いヤツ



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