―偽愛―



かき氷を食べ終えて



アタシ達は また歩いた



10分ほど歩くと 小さな店があって



そこには 昔から駄菓子や食器や家庭用品が売られていて



軒下には たくさんの風鈴が飾られていた



花火の模様



朝顔の模様



金魚の模様



たくさんの模様



たくさんの音色





アタシは この店に来るのが、幼い頃から大好きだった



“このお店、楽しんよ。土日になると、夕方 金魚すくい出来たり、ヨーヨーつりさせてくれるんよ…
子ども達が花火したりして…楽しんよ”



アタシはいつの間にか 笑顔になっていた



“オタク。ふくれっ面より笑った方がイイよ”



“あ!あのさ。オタクって止めてよ…ヒロミって呼んでよ…”



いきなり真面目な顔して 笑った方がイイなんて言われるから



アタシ



なんだか




急に わけの分かんない事言っちゃうし




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