―偽愛―
―白雪姫になりたかったアタシ―



アタシは部屋に戻って



網戸を開けて 窓枠に座った



煙草に火を点け 風鈴を眺める




夜風が気持ちイイ



チリンチリン チリンチリン




綺麗な音色




幼い頃 アタシは白雪姫のお話しが好きだった



今となっては アタシには不向きな話し



だけど こんなアタシだって、いちお女の子





女の子…っか





メンソールの煙を これ以上ないぐらい吸い込む



身体中の血液にニコチンを蓄えて



ゆっくり ゆっくり




ゆっくりと吐き出す




一瞬 メンソールの爽快感が口の中に広がるけど



次の瞬間には 言葉では表現しずらい



脱力感




女の子が 聞いてあきれる



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