―偽愛―



しばらく 真っ暗の海を眺めてぼーっとして



まだ 少しふらつく頭をおさえて 布団に横になる




夜の潮風は 昼の潮風と違って



磯のにおいが 少しキツい



それに 少し肌寒い




アタシはあえて パンツ一枚になって 少し厚めの掛け布団をかけて寝る





見慣れた天井のシミを数える




いくら数えても12コ






眠れない




何度 天井のシミを数えても




風鈴の涼しい音色を聞いても







眠れない



< 30 / 157 >

この作品をシェア

pagetop