―偽愛―



しばらく 2人で波打ち際を歩いたりした



家に帰る間 ずっと手を繋いでいた



家に入る時 なんだか気まずくなって 手を離した



海翔は後ろ姿のままで “おやすみ”と言って 2階に上った



アタシも“おやすみ”って言って 麦茶をコップ一杯飲み干して



2階にあがり そのまま寝た




なんとなく




気のせいかもしれないけど



右手が 左手より



温かい




気がした




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